たまきさんのあそびば

【詩】「青」2018/05/01

 
「青」
 

壊れた万年筆から
インクのシミがひろがる
群青のシミは叫ぶ

 愛がほしい
 愛をよこせ
 唐突に失われた
 父母の愛をよこせ
 手足がもぎ取られ
 目が潰れ舌が千切れ
 何の自慢にも
 何の助けにもならなくとも
 抱きしめられる
 愛をよこせ
 愛をよこすんだ

叫びながら泣いたのか
群青色が青色になっていた

わたしは言う
「諦めろ
 父は死んだ
 母は変わらない
 他をあたれ」

青いシミは泣く

 それでも
 愛がほしいんだ
 誰かくれよ
 抱きしめてくれよ
 愛してくれよ
 寂しいんだ
 苦しいんだ
 

あぁ、うるさい・・・
泣くシミごと紙をぐしゃぐしゃに丸め
力任せにくず入れに突っ込んだ

静かになった机
壊れた万年筆
歪なわたし

くず入れを持ち上げ
膝に乗せた
そっと抱きしめる

なにも救えない
だれも救えない

空は青いのに
海は青いのに

さようなら

 

 

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